年間数十組のお客様の住宅取得に対する相談に乗っています。たけと申します。
今回は健康に長生きするための健康住宅について考えていきたいと思います。
昨今取りはやされている健康寿命ですが、運動したり食生活を気にしたり入り色々あると思います。
住宅についても同じです。一番多くの時間を過ごすマイホーム。ストレスなく健康に過ごすことが健康寿命を延ばすためには大事です。
この記事を読んでいただければ、どのような仕様なら健康に長生きできるのか分かっていただけます。
健康住宅とは概要(定義)
SUUMOでは健康住宅の言葉の意味として次のように説明しています。
健康住宅とは、厳密な定義があるわけではないが、ホルムアルデヒド、トルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物(VОC)、有機リン系の化学物質などを含まない、または少ない建材や接着剤、塗装剤を使って建てた住宅のこと。
自然素材住宅や天然素材住宅とも呼ばれる。
引用元(SUUMO)
健康・省エネ住宅を推進する国民会議によると
健康に影響を及ぼす住宅の環境として以下のものがあげられています。
2、室内の寒暖差による血圧変動や風邪などの疾患【ヒートショック】
3、結露の影響によるカビやダニによって引き起こされるアレルギー
4、室内が暑いことによって引き起こされる熱中症
5、建材の材質・匂いなどの影響によるストレス
6、手すりが無いことや階段で起こるケガ
などいくつかの住宅が健康に及ぼす影響について提示してくれています。
マイホームを考える上ではどれもとても大事なことですね。
解決編
上に挙げられているいる健康に対する影響を減らすためには、どういった仕様の家にしていけばよいのか、いくつか対策を示したいと思います。
ホルムアルデヒド対策
建材の接合やクロスを貼るための接着剤にはホルムアルデヒドが含まれています。ホルムアルデヒドを多く吸うとめまいや気分が悪くなったり、呼吸障害などの症状を引き起こします。
建築基準法によるとホルムアルデヒドの使用には、規制はありますが禁止はされていません。
建築会社の中には木材にホルムアルデヒドの放出量の少ない、F☆☆☆☆承認を受けた木材を使っていることをアピールしている会社もあるので、接着剤や建材などホルムアルデヒドを使用していない建材を使っている会社を選ぶと良いです。F☆☆☆☆については詳しくはこちら。
高気密の家はカビの発生を防いだり、家の温度差を無くすということにおいては優れています。
しかし室内の換気という点においては空気を外に出さないので、ホルムアルデヒドが室内にこもる原因となります。
そのため建築基準法では24時間換気システムの設置が義務付けられています。中には気密自体を取らない会社もあります。
カビ・ダニ・ハウスダストによるアレルギー対策
湿気や結露はカビやダニの発生を誘発し、カビやダニはアレルギーやアトピーなどの疾患の原因になります。
「高気密・高断熱」の家は壁内に空気が侵入することを防ぎ、外の冷たい空気を遮断することで壁内結露を防ぎます。そうすることで、断熱材がカビるのを防ぎます。
断熱材がカビてしまうと断熱効果が下がり室内が寒くなってしまいます。
また24時間換気を使用して壁内の空気を換気することで、壁内の余分な湿気を外に排出してくれます。
自然素材を使った塗り壁や無垢の床材の家は、素材自体が呼吸をして湿度を調節してくれるので、湿度を快適に保ちカビやダニの発生を予防してくれます。
塗り壁に関しては主に漆喰と珪藻土の二種類ありますが、それぞれの違いについてはこちらからご確認ください。
室内が寒いことによる血圧の変化や風邪などの疾患に対する対策
室内の温度差による疾患の代表はヒートショックではないでしょうか。
ヒートショックも『高気密』『高断熱』の家にすることで防ぐことが出来ます。
「高気密・高断熱」の家は家全体が一つの空間になりますので、温まった空気は逃げにくく家全体を温めることが出来ます。
確かに温度差を全く無くすことが出来るわけではないですし、広い空間を温めたり冷やしたりしようとすればそれだけエネルギーもかかってきます。
室内の寒暖差を完全に無くそうとするならば、全館空調を取り入れるのも良いかもしれません。しかし全館空調の効力を最大限引き出すのも高気密は欠かせません。
全館空調にしなくても床を無垢材にすれば寒さを和らげることが出来ます。
無垢材は木の中に空気の穴がたくさんあるので、一度温まると冷めにくいという性質があります。ですので床を無垢材にすることで廊下などの寒さを感じにくくなります。
ちなみに、家の中の場所ごとの温度差が5度以上あると、ヒートショックの危険が高まります。
また室内の温度が16度以下になる家は、器官への負担が多くなり、喘息やアトピーなどの疾患にかかるリスクが高まります。
冬でも室内が16度以下にならず、さらに部屋と廊下などの温度差が5度以上にならないための工夫が必要です。
まとめ、やはり自然素材が良いということになるのでは
この記事を書いていて、やはり人間は自然に囲まれて生きるのが良いのでは、ということを感じました。
人工的に作られたものを使おうとすれば、どうしてもホルムアルデヒドなどの化学物質を避けることは難しいです。
ホルムアルデヒドにしろカビにしろ、自然素材を使うことでどちらも防ぐことが出来ますし、ヒートショックを防ぐこともできると感じました。
全館空調は家全体を同じ温度にすることが出来ますが、費用も高くつきますし、家全体が乾燥するためクロスの割れなどに繋がります。
さらに空気の乾燥は風邪やインフルエンザなどの感染リスクを高くします。結局他の設備として加湿器などが必要になります。
無垢材や塗り壁は温度を快適に保つだけではなく、調湿機能も備わっています。
室内を快適に保ち、様々なストレスも軽減してくれます。
自然資材にすることで、いくつもの設備を組み合わせなければいけない、調湿・保温・空気清浄などを一挙にできると思います。
確かに無垢材や塗り壁にもデメリットもあります。
施工には職人さんの手間と時間がかかるので他の材料に比べ割高になったり、汚れても簡単に掃除できないなどが挙げられます。
しかし良い面として耐久性がありメンテナンスも必要なく、ランニングコストがかからないことや、経年変化が楽しめ家と一緒に成長していくことが出来るなどがあります。
全館空調や床暖房などもメリット・デメリットがあるのでしっかりそれぞれの良いところ、悪いところを考えていってほしいと思います。
費用や予算の面でも将来長く住む家です。イニシャルコストとランニングコストも考えて比較検討していただければと思います。