この記事を読むとわかること
・気密性能と24時間換気の関係性
・どうして24時間換気が必要なのか
・寒い場合の対処法
技術の進歩とエネルギー消費を抑えるために、高気密高断熱の家の開発が推し進められました。
それまでの日本の住宅は湿気を溜めないために、通気を考えた家になっており、窓を開けて換気するすることが当たり前でした。
しかし現在では空調効率を考えたり、外からの花粉や埃を取り込まないために、窓を開けないという人も増えているのではないでしょうか。
そんな中窓を開けて換気しないことや、気密の高い家にすることで起こってくる弊害として、建築資材から揮発する化学物質が人体に与える健康被害(シックハウス症候群)が社会問題になりました。
そんなシックハウス症候群に対する改善策として考えられたのが、24時間換気システムの義務化です。
現在では24時間換気システムは2003年の建築基準法の改訂から義務化されています。
換気システムを考える前に大事な気密の話
日本の住宅技術が上がり気密性が高まったことで、化学物質による人体への影響は前述しました。
でも日本人が気密性を求めたことには理由があります。
ですのでまずは高気密の良い所を知ってもらいたいと思います。
まずはなによりも空調効率が上がり、エアコンなどのエネルギー消費を抑えられるということではないでしょうか!?
日本は京都議定書に調印しているように温室効果ガスの削減を目標にしています。
それは日本の住宅におけるCO2などの削減も例外ではありません。
そのため住宅の気密を上げ、エアコンなどの使用量を減すことで(つまり省エネできれば)CO2を削減することが出来ます。
国にとっても家計にとってもプラスですよね。
その他を気密性能を上げることでのメリット
・花粉・埃が室内に入ってきにくい
・外の騒音が聞こえない
・換気効率(局所)が良い
しかし先にも述べましたが、換気性能が高くなることによっておこる弊害もあります。
デメリット
・ハウスダストや湿気が外に出ていきにくい
・換気効率が間取りに影響される。場所によってはカビが生える
・二酸化炭素、生活臭、汚染物質がこもりやすい
このように高気密の家は家計にも環境にも良いことだらけなので、気密性能のアップに国も住宅メーカーも力を入れています。そのデメリットを解消するために24時間換気が必要になります。
24時間換気の必要性
実際に24時間換気システムが行っている作用について書きだしていきたいと思います。
・有害物質を強制的に室外へ排出してくれる
・花粉、ハウスダスト、pm2.5などを取り除いてくれる(特に1種換気)
・湿気を排出しカビの発生を予防してくれる
・嫌な生活臭を排気してくれる
24時間換気切ってはいけないの？
現在24時間換気システムを取り入れている住宅に住んでいる人の中には、寒い(暑い)という理由から24時間換気を止めたいと思う人もいるのではないでしょうか？
そんな換気システムを止めてもよいのでしょうか？
24時間換気を止めることで起こる弊害について考えていきたいと思います。
まず24時間換気システムにおけるデメリットから見ていきたいと思います。
24時間換気システムのデメリット
・熱交換機能がついていないと寒い(暑い)
外気を直接室内に取り入れているので寒く(暑く)なります。
これは熱交換機能のついていない3種換気で起こる不満と言えます。現在建築されている住宅の多く(8割以上)がこの3種換気を採用しています。
決して3種換気が悪いというわけではありません。極端に寒いもしくは暑い地域では熱交換器付きの1種換気が快適かもしれませんが、そういった地域でなければ一時的なことなので特に必要ないと思います。
ただ夏場・冬場はエアコンの稼働率が上がり、電気代が上がるかもしれません。
ではそんな寒い(暑い)時に24時間換気を止めてはダメなのでしょうか？
24時間換気を止めることの危険性
などの危険性があるため寒い(暑い)からと言って止めることはお勧めできません。
寒い場合の対処法
ここで24時間換気は切らないでくださいというだけでは、なんの解決にもならないのでいくつか改善策を示したいと思います。
・風が直接体に当たらないように工夫する
・思い切って少しの時間止めてしまう
風量を調節する機能が付いていないものや、風向きを変えられないものがあるので、その場合は換気口自体を交換しなければならない場合もあります。
引用元：生還システムHP
風が直接当たらないようにするために、吹き出し口を写真のようなものに変えるのも良いかもしれません。
直接風が当たらないようにするだけでも体感でだいぶ変わってきます。
ただ完全に吸気口を塞いでしまうのは計画通りに換気されず、カビが生える原因になったり、モーターに負担がかかりよくないです。
寒い(暑い)ときは思い切ってしばらく止めてしまうのも一つの手です。その方が吸気口を塞ぐよりもモーターに負担はかかりません。
ただ止めたままにするのは空気が淀みますし、カビの発生の原因になるのでやめましょう。
以上に説明した通り、24時間換気の重要性はわかっていただけたと思います。
24時間換気については種類があるので、換気の種類の方で詳しく説明していきたいと思います。
今は風量・風向を変えられるものがあるので、これから住宅を建築される方はそういったものを選ぶようにするとよさそうです。